第2回 令和2年10月22日~23日
飛騨市広葉樹のまちづくりを支える柱の一つ「豊かな森づくり」。ここでは、多様な価値を有する森林とは何か、また、そうした森林をどのように作っていくかについて理解する。
2020/10/23(2日目)
2日目は、広葉樹林の育成と利用に関する考え方の基本、そして技術の基礎と応用についてスライドを使いながらご説明いただきました。
まず前提として、森づくりには「木材を収穫する」という目的があります。この目的を達成するためには、どんな木材を収穫するのか、どのくらい収穫するのか、いつ収穫するのかということを意識しながら施業を行う必要があるようです。
考え方の基本では、広葉樹材はどのように山から供給されているのか、利用側のニーズに応えるために、山側は何をすればいいのかという点を中心にお話いただきました。
技術の基礎と応用では、樹木が育つとはどういうことか、森づくりとは何をすればいいのか、広葉樹の森づくりでは何を気をつければいいのかという点を中心にお話をいただきました。
横井先生がおしゃっていた事で強く印象に残っている事は、「広葉樹林の管理は難しくない」ということ。ただし、造林・育成技術は科学技術であることから、樹種を同定できること、樹種ごとの生態的特性を知ること、利用特性を知ることなどが必要となります。
また、現場でできる事は限られているので、試行と検証を繰り返し、収穫、保育、更新を管理できる人材を育てていく必要があります。
本来のスケジュールでは、午後は「過去の作業の反省に立った作業改善と今後の作業方針」をテーマに広葉樹施業の現場を見学する予定でしたが、生憎の雨で現場見学を行うことができませんでした。
そこで、午後の時間を使って、前回参加者の皆さんから意見があったこの学校を通して何かしら成果物を残すことについて、それぞれからご意見を頂きました。 製材所を経営されている方からは、
「いつも製材しない樹種の材、後生枝が生えてしまっている材を製材してみて、参加者の皆さんに共有したい。そこで意外と使えるなといったこれまでの固定観念にとらわれない新たな展開が見えてくるのではないか。」
といった具体的な提案が出されました。
また、木工会社で木の研究を行っている方からは、
「アロマの開発、材の曲げ試験などを行っているので、興味のある樹種などがある方は持ってきてくれれば試作などすることができる。」
といった呼びかけもありました。
こういった参加者それぞれで行っている事業の範囲内で出来る事を具体的に提案できるのは、林業の川上から川下まで各専門分野で活躍されている方々が集まっているこの学校ならではだと思いました。